五十肩は「癒着(凍結)」が進むほど痛みが強く、動かない期間も長くなります。本記事では、肩関節の癒着とは何か、なぜ起こるのか、悪化しやすい人の特徴、セルフケア、整体での改善ポイントまで岐阜市の整体院が丁寧に解説します。
肩が固まって腕が上がらない」「夜にズキッと痛む」「数ヶ月しても良くならない」
こんな五十肩の悩みは、実は肩周りの“癒着”が原因になっていることが多くあります。筋肉を揉んでも、湿布を貼っても、なかなか改善しないのは、この“癒着”が取れていないから。
この記事では、五十肩の中でも最も多い 癒着タイプ(凍結肩) について、患者さん目線で分かりやすくまとめています。
【H1】五十肩の原因は「肩関節の癒着」だった?放置すると固まる理由
五十肩は「加齢だから仕方ない」と思われがちですが、実際には 肩関節の癒着(凍結) が大きく関わっています。
癒着とは、肩の内部の組織がくっついたり硬くなったりして、滑らかな動きが失われてしまう状態のことです。
筋肉のコリや炎症とは違い、癒着が起こると肩は一気に動かなくなり、痛みも強くなります。
【H2】肩関節の癒着(凍結)とは?筋肉のコリとは別物
癒着とは、関節の中にある
- 関節包
- 滑液包
- 腱鞘
などが硬く固まり、動きがロックされたように制限される状態です。
特に、五十肩で固まりやすいのは 関節包(かんせつほう) と呼ばれる袋状の組織。
これが縮んだり、厚くなったり、組織同士がくっつくことで、動かそうとした瞬間に鋭い痛みが走ります。
■ 癒着すると起こる症状
- 腕を上げようとしても途中でロックがかかる
- 肩の“奥の方”がズキッと痛む
- 動き始めが特に痛い
- 夜間痛が出やすい
- 湿布やマッサージではほとんど変わらない
マッサージをして一時的に血流が良くなっても、関節包の癒着は取れないため根本改善しないのです。
【H2】なぜ癒着が起こる?五十肩の悪化を招く4つの要因
癒着は急に起こるものではなく、日頃の姿勢・生活習慣・使い方のクセが積み重なって起こります。
特に以下の項目に当てはまる人は癒着が進みやすいタイプです。
【H3】① 胸郭が固まって肩の動きが制限される
五十肩は肩だけの問題ではありません。
胸郭(肋骨まわり)が硬くなると、肩が自由に動けず、関節包に負担が集中します。
胸郭が硬くなる要因
- 猫背
- 巻き肩
- スマホ首
- 浅い呼吸
肩より先に“土台である胸郭”が硬くなることで、結果的に癒着が進みやすくなります。
【H3】② 血流不足で組織が固まりやすくなる
癒着は 血流低下 と強く関係しています。
肩の奥の細かい組織に血液が届きにくくなると、
・修復が遅れる
・組織が固くなる
・炎症が長引く
という悪循環に入り、癒着が進んでしまいます。
特に、
- デスクワーク
- 運動不足
- ストレスが強い
- 冷え性
の人は血流が低下しやすく癒着が進行しやすいです。
【H3】③ 同じ動作の繰り返しによる慢性疲労
肩を酷使する習慣がある人は、関節包周囲が炎症 → 修復 → 再炎症 を繰り返し、最終的に癒着しやすくなります。
例:
- 重い荷物を持つ
- 家事を長時間こなす
- スポーツ(ゴルフ・テニス)
- 腕を前へ突き出す仕事が多い
こうした生活習慣は“肩の内部の硬さ”につながります。
【H3】④ 痛みをかばって動かさない期間が長くなる
痛いから動かさない → 関節が固まる → さらに痛くなる
という「凍結肩の悪循環」も癒着の大きな原因。
動かさない期間が長いほど、関節包は縮み、可動域がどんどん減ってしまいます。
【H2】癒着タイプの五十肩の特徴|あなたの症状は当てはまる?
以下の症状がある場合、癒着タイプの可能性が高いです。
- 肩の“外側”ではなく“奥の痛み”がある
- 腕を上げると途中で止まる
- 夜寝ていると痛みで目が覚める
- 反対側に比べて明らかに動かない
- 洗濯物を干す動作ができない
- 髪を結ぶ動作がつらい
「筋肉のコリだと思っていた」という方でも、実際に検査すると癒着が明らかになるケースが非常に多いです。
【H2】癒着タイプの五十肩はどう改善させる?整体でのアプローチ
癒着タイプは、一般的なマッサージ・ストレッチでは改善しにくいのが特徴。
ここでは、整体院で実際に効果が出やすい方法を“患者目線で”分かりやすく紹介します。
※施術手法の名称はあえて出さずに、あなたの院が使いやすい説明に調整しています。
【H3】① 肩そのものではなく「肩を動かす土台」から緩める
癒着している肩そのものを直接押したり伸ばしたりしても悪化する危険があります。
まず優先すべきは、
- 肩甲骨
- 鎖骨
- 肋骨
- 胸椎
といった“肩を支える土台”の改善です。
土台が動き出すと、癒着部分に引っ張りが減り、痛みが和らぎやすくなります。
【H3】② 呼吸の改善で肩の可動域を上げる
肩と呼吸はセットです。
横隔膜が固いと肩の動きが制限され、癒着も取れにくい状態になります。
整体では
- 胸郭
- 横隔膜
- 肋骨周囲
- みぞおち
など“呼吸の中枢”にアプローチし、肩の可動域を引き出します。
【H3】③ 関節包をゆっくり広げる微調整
癒着部分は無理に伸ばすと悪化するため、
“痛みが出ない角度で微細に動かす”
という方法を使います。
急激なストレッチではなく、
関節本来の軌道を取り戻すような繊細な動きを重ねることで、癒着が自然に剥がれやすくなります。
【H3】④ 可動域が出てから初めて「肩の筋肉」を緩める
癒着が取れてきた後は、
- 棘上筋
- 棘下筋
- 三角筋
- 肩甲下筋
などのインナーマッスルの過緊張を整えます。
順番を間違えると悪化するため、癒着がある段階では筋肉より先に土台 → 関節包 → 筋肉の順が基本です。
【H2】自宅でできる癒着タイプ向けセルフケア
※一般的な肩ストレッチは逆効果になることがあるため、癒着タイプ用に安全なものだけ紹介します。
【H3】① 深い呼吸で胸郭を開く
- 胸の中央に手を置く
- 肋骨が横に広がるイメージで吸う
- 6秒かけてゆっくり吐く
これを5回
胸郭が広がるだけで肩の痛みが軽くなる人が多いです。
【H3】② 肩甲骨だけを小さく揺らす
痛みが出ない範囲で
- 前後
- 上下
- 内外
に、1〜2cmだけ揺らす。
“動かしてるのかわからないくらい”の小さい動きでOK。
【H3】③ 腕の重みを利用して力を抜く
テーブルに前腕を乗せて、腕の重さを自然に下げるだけ。
重さを利用して肩を下ろすことで、関節がゆるみやすくなります。
【H2】まとめ|癒着タイプの五十肩は、原因を正しく知れば改善できる
五十肩は「年齢だから仕方ない」ではありません。
特に癒着タイプは、
- 胸郭の硬さ
- 血流不足
- 姿勢の崩れ
- 動かさない期間が長いこと
が組み合わさって起こります。
正しい順番でケアすれば必ず改善します。
もし肩の奥の痛みや夜間痛が続いているなら、癒着タイプの五十肩の可能性がありますので、早めに専門家に相談してください。